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【ドクターズ コラム】赤ちゃんの哺乳量の目安

2021年4月28日

赤ちゃんの哺乳量の目安と お母さんの心と体の安定安心

赤ちゃんの哺乳量にはいくつか目安がありますが、一番は赤ちゃんの様子を見てあげることです。

哺乳後に満足しているようですか?
1 日 8 回前後おっぱいを飲んでいますか?
おしっこは 6〜8 回くらい出ていますか?
オムツはしっかりと濡れていますか?
肌の色つやはよいですか?
手足を元気に動かしていますか?

こういった様子であれば、哺乳量は足りていると考えます。

授乳回数が少なかったり、逆に多かったりする場合やオムツを濡らす回数が 6〜8 回(2〜3 時間おき≒哺乳の際に交換)より少ないようであれば、哺乳量が足りていない可能性があります。
とはいえ、わかりやすいのは体重です。
でも心配だからと言って、毎日測る必要はありません。

1 週間、少なくとも数日ごと程度で十分です。おしっこやうんちを出す前と出した後、 授乳の前と後では当然出たり入ったりした分体重は変わっていきます。
いつも授乳の後とかオムツを替えたときなど、可能な範囲で同じような条件で測るとよいでしょう。

体重の増加の目安としては、1 か月までは 30~40g/日、その後徐々に増加率は減少し 3 か月で 20~25g/日となります。( ※ )この目安より少なめの時は、哺乳量が足りていない可能性を考え、様子によってはミルクを足すようにすすめることがあります。

ちなみに、3 か月までの赤ちゃんの 1 日必要水分量(≒必要な哺乳量)は 150〜180ml/kg (体 重 1kg あたり 150〜180ml、つまり 3000g なら 1 日 450〜540ml) です。
この時期の赤ちゃんの体重が減ることはなく、もし減っているのであれば直ぐに病院を受診して体調を確認してもらいましょう。

哺乳の途中で寝てしまう、母乳の後に飲ませるミルクの量などは、体重がその時に必要な分増えているのであれば、気にしなくてもよいでしょう。
しかし増えていないのであれば、 刺激をして起こして飲ませたり、母乳がどれくらい出ているのかをきちんと計測した上で、 必要な量になるようにミルクを足したりします。

ミルクの飲みが悪い時は、意外に哺乳瓶の乳首の形や硬さ、穴の大きさが赤ちゃんに合っていないことがあります。
いろいろな種類があるのでその子その子にあったものを探してみるとよいでしょう。
よくわからない時は、出産した産院の助産師や地域の保健センターの保健師に遠慮なく尋ねてください。

赤ちゃんのことばかり書きましたが、赤ちゃんの成長にはお母さんの心と体の安定もとても大切な要素です。
お母さんは疲れて、無理をしてはいませんか?
不安なことを相談出来る人は周りにいますか?
もし、子育てのことで困っていることがあれば、どんなことでも 専門家や周りの人に相談してみましょう。
 

( ※ )
体重の増加の目安が1 か月までは 30−40gというのは、それくらいあれば安心というあくまで目安です。
25g以下では体重増加不良として評価の対象となります。

WHO/UNICEF、国際ラクテーションコンサルタント協会その他色々な基準がありますが、日本の乳幼児検診ではこの基準を使用していることが多いようです。

この記事の執筆者

  • 小橋 孝介

    小児科専門医

    小児科医チャイルドファースト PROJECT代表
    松戸市立総合医療センター小児科

    ◉子育て応援 メッセージ
    「子どもにはそれぞれのペース、個性があります。誰にでも当てはまる、100点満点の子育てはありません。みんな違ってそれでいい。肩の力を抜いていきましょう。」

    小児科医チャイルドファースト PROJECT代表
    松戸市立総合医療センター小児科

    ◉子育て応援 メッセージ
    「子どもにはそれぞれのペース、個性があります。誰にでも当てはまる、100点満点の子育てはありません。みんな違ってそれでいい。肩の力を抜いていきましょう。」