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「あやし」と「揺さぶり」〜「揺さぶられ症候群」が心配〜

2021年4月28日

相談

生後1ヶ月。1週間前に、赤ちゃんのお披露目があって親戚が集まりました。親戚のおじさんが、赤ちゃんが泣いた時に、大きく上下に揺さぶったんです。本人はあやしているつもりだったと思うのですが、すごくびっくりしました。赤ちゃんの脳は大丈夫でしょうか?


回答

「あやし」と「揺さぶり」〜「揺さぶられ症候群」が心配〜
たかいたかいやベビーカーの振動など、赤ちゃんの脳に影響がないか不安になってしまうこともありますね。
日常生活の中で経験するようなたかいたかい、ベビーカーや車の振動で脳に障害を起こすことはありません。
「揺さぶられ症候群」とはどんな症状なの?
いわゆる「乳幼児揺さぶられ症候群」と言われる状態は、首がムチのように前後に激しく揺れることによって、脳が傷ついたり、頭の中で血が出てしまったりするものです。1秒間に3回以上、首が前後にしなるように揺さぶらないとこの様な状態は起こらないという結果が工学的な研究で示されています。脳が傷つくほど早く、激しく赤ちゃんを揺さぶるというのは、たかいたかいやベビーカーや車の振動とはまったく違うものなのです。


「揺さぶられ症候群」はどんな時に起こるの?
では、どのような時にこういった激しい揺さぶりが起こるのでしょうか?
「泣きやまない赤ちゃん」を泣きやませようと激しく揺さぶってしまうことがその大きな原因となっていることが示されています。


2か月〜3か月をピークに6か月頃まで、赤ちゃんには何をやっても泣きやまないことがあります。なにをやっても泣き止まず、赤ちゃんは苦しそうな、つらそうな顔で激しく甲高い声で泣き、長いときは数時間泣き続けることもあります。そして、このような「泣き」は家事で忙しい夕方に起こることが多く、誰もが通る「泣き」の時期なのです。
赤ちゃんが激しく泣き続けて対応できなくなったらどうしたらいいの?
赤ちゃんが泣きやまない時、泣く原因がないか一通り確認して、何もなければ泣いている赤ちゃんを安全な場所に残し、泣かせていても大丈夫です。お母さんは、少しその場を離れ隣の部屋などで一息入れて、リフレッシュして大丈夫です。時々、赤ちゃんの泣いている様子を見てあげてくださいね。


赤ちゃんの気持ち

ゆらゆら抱っこしてもらうのは気持ちがよくて大好き。だけど、あんまり大きく揺らされるとびっくりしちゃう。頭がガクンガクンするくらいゆれるのは全然気持ちよくないんだ。腕の中でゆっくりゆらゆらしてもらうのがいいなあ。優しく揺らしてね。

この記事の執筆者

  • 小橋 孝介

    小児科専門医

    小児科医チャイルドファースト PROJECT代表
    松戸市立総合医療センター小児科

    ◉子育て応援 メッセージ
    「子どもにはそれぞれのペース、個性があります。誰にでも当てはまる、100点満点の子育てはありません。みんな違ってそれでいい。肩の力を抜いていきましょう。」

    小児科医チャイルドファースト PROJECT代表
    松戸市立総合医療センター小児科

    ◉子育て応援 メッセージ
    「子どもにはそれぞれのペース、個性があります。誰にでも当てはまる、100点満点の子育てはありません。みんな違ってそれでいい。肩の力を抜いていきましょう。」